最近ようやく認知されてきた”ヤングケアラー”。
けれども解決に至るは、まだまだまだまだまだまだまだ。
まずは子どもの権利を守るための支援策を。
根本的解決のためには。社会全体を立て直す政策を。
長いメモですがお読みいただけたらと思います。
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ヤングケアラー支援シンポジウム
2022.1.23@スターツおおたかの森ホール
全国介護者支援団体連合会 代表 牧野史子さん
ヤングケアラーの相談窓口の取り組みはほとんど進んでいない。
(特化した相談窓口が必要だと思います。そのためにも定数条例を変えて職員を増やすべき。現状では職員のマンパワーが少なすぎます。)
第一部
澁谷智子さん(成蹊大学)のお話
ヤングケアラーの定義
慢性的な病気、障害精神的課題を抱える家族のケアをしている18歳未満の子どもや若者のこと
本来大人がすると想定されているようなケアを含む
Aさんの場合
小3の時に母親が解離性障害と診断される。母親が幻覚を見て暴れる、母親の自殺予防を毎日考えていた。
母親が家事不可、洗濯出来ず、2〜3日同じ服、母親の発作を友達に見られ恥ずかしかった。
厚労省実態調査
全国公立中学校 5,000校?2,000校?メモし切れてません。
中2 の 5.7%が家族をケア
高校生は4.1%
ケアする家族は?→兄妹、両親2〜3割。祖父母1〜2割
やりたいことは?→勉強、遊ぶ、寝る時間が取れない=1割
中2
世話 兄妹毎日 6割近く 費やす時間4割強
高2 同様
手伝いとヤングケアラーの境は?
お手伝い=子どもが子どもとしてできる範囲の手伝い
ヤングケアラー=子どもが年齢・成熟以上の手伝いをしている
ヤングケアラーは、モデル的家族(両親と子どもが2人か3人)を前提とした問題がある
1980年→2021年
世帯の人数 5人→2.21人に
世 帯 数 514万世帯 → 1240万世帯
ひとり親家庭 84.9万世帯→123.8万世帯
「人口ボーナス」
高度経済成長期に経験、豊かな背景 社会的制度が作られた
「人口オーナス」
少子化が止まらなければ、ずっと続く問題。
(もちろん今はこっち)
15〜64歳生産年齢人口に占める割合が少ない、人口オーナスの時代
実態は?
ケアをしなければならない人口が増えているにもかかわらず、
かけられる人口が少ない!
ケア時間
専業主婦 / 働く夫
妻7時間56分 / 夫50分
共働き
妻5時間 / 夫45分
(共働きであってもこの男女格差…!)
個人が役割過多になりやすい状況
親にとっての当たり前が子どもに引き継がれている
ケアを組み込んでこなかった社会
人口ボーナス期の余裕ある時代に作られた制度、
性別役割分業の上に成り立っていた
現状システムでは、子どもを持つことが時間的体力的経済的資源を奪うことであるかのよう
地域でどう支援?

子どもの権利の観点から支援
行政の役割 把握→サポート(行政、民間含め)につなぐこと。
国の調査はざっくりしているため、自治体の調査が不可欠
無理なら、民間の支援団体からヒアリングするなど
イギリスのヤングケアラー調査と支援の仕組 「ヤングケアラー支援のページ」からダウンロード可能
ヤングケアラーフェスティバル(イギリス)
多種多様なイベント、経験を楽しめる
「声のテント」直接政治家に意見や想いを伝えることができる
(ただ、20年間続けてきたということは、解決できていないってことでは??
これは澁谷先生に聞いてみたかった…)
読み聞かせの時間に読むアイデア
学校内の居場所 西東京市の「放課後カフェ」がある
子ども情報ステーションのサイト
子どもだって色々な気持ちを持っている
「話しても、話さなくてもいい」「色んな気持ちを持って良いんだよ」
ヤングケアラーは、支援のはざまで
家族を持つことにリスクを感じて育った子どもは、家族を持つことに躊躇する子もいる。
全国初、埼玉県ケアラー支援条例
埼玉県議会議員 条例提案者 吉良英敏さん
2年〜3年かけて策定された
背景① 高齢化のスピードが全国一
介護離職が年間10万人、虐待の6割は孤立介護、介護・看護疲れによる自殺年間300件など
26歳の女性が50歳の母親を介護疲れから殺害…
背景②
*市民 日本ケアラー連盟、さいたまNPOセンター (サロン運営、研修人材育成)
*県議会 議員提出議案日本一、議会構成
*パパママ集会、当事者の声
何故できた?

オーストラリアに視察
学習会に参加するため成城大学にも

第3条基本理念 がキモ
第13条 体制整備 縦割りにしない
支援計画と予算化
あくまでもケアラー目線!
人生を支援すること
コロナ感染に係るケアラーへの緊急支援も
有識者会議
ケアラー実態調査 対象

ヤングケアラーは相談、情報を求めている
3年間で以下↓↓をやることに

国にはケアラー議連(議員連盟)がある
骨太の方針にヤングケアラーが明記された!
孤独孤立対策室、
子ども庁、デジタル庁、
意見書の提出
埼玉県 子どもの居場所目標800ヶ所、現在380ヶ所
子どもの支援はみんなが関わりやすい。地域コミュニティの好循環を生み出す
ムーミンバレーパークにて、ケアラー月間を開催
第二部
パネルディスカッション
とうかつ草の根フードバンク事務局長 高橋 亮さん
流山子ども食堂NW 加藤美佳里さん
我孫子市子ども食堂NW 陸川良子さん
澁谷智子さん、
吉良英俊さん
とうかつ草の根フードバンクとは東葛6市にまたがるフードバンク、7年目に入った
毎週金曜日に定例活動、松戸市の委託を受けた学習支援
流山子ども食堂NW みんなの江戸川台キッチン 誰もが利用できる食堂にするため、あえて"みんなの"としている
我孫子市子ども食堂NW 5年前発足、4つの子ども食堂、行政5つほどがつながっている 行政も子ども食堂開催日の啓発に協力
「関わってきたヤングケアラー」
高橋さん
①ひとり親(シングルマザー)
②親が精神的課題を抱えている
③親が外国人
④ネグレクト
事例紹介
事例① 5人きょうだいの長女(高2)次女(中3)
母子家庭ダブルワーク
学習支援
妹の面倒を見るため次女は学習支援に来なくなる
事例② 5人きょうだいの長女(19歳大学生)
きょうだいは18歳、17歳、13歳、10歳
母子家庭、外国人、生保家庭、ネグレクト
子どもの面倒を見ている
事例③ 5人きょうだいの 17歳、16歳
母子家庭、精神疾患、生保、ネグレクト
きょうだいは、18歳、5歳、2歳
母親が不安定なため、きょうだいの世話をしてきた
さて。
「ヤングケアラーの声は届いている」のか?
→実感はない
→子ども食堂側にアンテナが無い(キャッチできない)
子ども食堂を切り口にして、何が出来るのだろうか?
子どもは簡単に自分の家の話をしない。
あるいは自分がヤングケアラーだと分かっていない。
子ども食堂に対する期待感の高まりを感じている。
やってあげたいのは山々だが、一方で責任を取りきれないプレッシャーも…
ヤングケアラーは虐待か?
社会の虐待ではないか。
場合によっては虐待と説明した方が伝わりやすい気もする。
人権の問題について、これからどう考えていくか。→大人が「子ども権利」をまずは知ること
→埼玉県では全ての課が参加してくれた
学力実態状況調査の結果を経年で見るとわかる場合もある。
子ども食堂は子ども食堂としてあれば良い。
あったかい場所を提供出来れば良い。
行政と繋がっていく、現場がつながっていく仕組みづくり
自治体職員の理解度が必要、現場(子ども食堂)に職員が出向く
最後の挨拶
ケアラー支援NW 布川さん
一人でケアを抱えてしまい、誰にも話せなかったことから活動。
ケアラーズカフェを開催、話を聴く、耳を傾ける大事さ
耳を傾ける大人がもっと増えていく必要がある。
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私がその通りだなと感じたところにアンダーラインを引きました。
ヤングケアラーの受け皿は子ども食堂ではないはず。
それこそ政治ド真ん中の話でしょう。
会派を超えて取り組んでいきたいと思います。