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2023年8月14日 (月)

女性の権利を国際基準に~つくろう!私たちの「包括的差別禁止法」〜

女性の権利を国際基準に

~つくろう!私たちの「包括的差別禁止法」

文京区シビックセンター

 

だいぶだいぶ遅い報告ですが、せっかくメモをしたので記しておきたいと思います。

                                     

7月25日は”女性の権利デー”だったのです。

”女性の権利デー”は、1985年に、女性差別撤廃条約(※)が日本に効力を発生した記念の日、なのだそうです。毎年この日に様々な講演会やシンポジウムが開かれているのですが、今回私は写真のようなシンポジウムに参加してきました。(※朝倉むつ子さんのコメントの下に参考資料を添付)

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内容がとっても充実していましたが、何と言っても会場が盛り上がっていました!

以下、メモです。                               

                       

<朝倉むつ子さん(早稲田大学名誉教授、女性差別撤廃条約実現アクション※共同代表)からのご挨拶>

 少数者への差別はたくさんあり、無くしていくべきだ。日本は差別を禁止する法制度が非常に弱い。この件で国連から何度も勧告を受けているが政府はなかなか動かない。ならば私たちが作って提案していこうではないか。

※女性差別撤廃条約実現アクション 

【動画】2分でわかる 女性差別撤廃条約「選択議定書」ってなに?

https://opcedawjapan.wordpress.com/whatisopcedaw/             

                              

林陽子さん(弁護士、元国連女性差別撤廃委員会CEDAW委員長)

 日本には、個人の差別を定めた法律は無い。封建社会においては、弱者に刃(やいば)が向くことが歴史的にも起きているので弱者の権利を高めておくことが必要かつ重要だ(国連機関のガイドブック参照。国内人権機関→裁判所→OPCEDAWという順序)。(注:日本には国内人権機関は存在しない)

 法務省HPに「パリ原則」が載っているのを見ると”かつては”やる気があったことが伺える…

 司法機関も社会構成と同じにすることは司法を近くすること、「私たちと同じだ」という意識づけをする力となるはずだ。が…選択的夫婦別姓制度に反対する人は裁判官ばかり。女性の中で裁判官出身者は1人もいない!

                         

小森恵さん(反差別国際運動 IMADR事務局長代行)

 差別は交差しており複合的である(複合差別の交差性)。人権差別撤廃条約は北京女性会議(1995年)で活発に議論された。2016年、障がい者差別法やヘイトスピーチ解消法が出来たが、啓発ベース。人口の半数である女性の声が反映されていないと思う。さらに、性的マイノリティ、人種など、様々な差別が複雑に存在している。

 安全な社会にするためには「人権の保障」が非常に重要。人権が保障されているからこそ、安全で生きやすい社会が存在できる。平等=差別のない社会、である。

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*クロストークタイム*

国連人権理事会でA評価の国は? 

 計画が悪ければ達成することはできない。日本の”女性活躍”は、経済、少子化対策がベースになっているが、これではいつになってもジェンダー視点は入らない。

 刑法の例 強姦罪は110年ぶりの改正となった(①強姦罪→強制性行罪等に変わり、被害者は女性に限られていたが性別は問われないこととなった。②懲役3年→5年へと厳罰化。③非親告罪化(被害者の申告がなくても起訴可)。④親などの監護者による子どもへの性虐待を処罰)…差別的な法律を変えていこう。

’94…女性の経済的地位は世界ランク14位だった!(そんな時代があったなんて!!)

アイスランド(ジェンダーギャップ指数14年連続1位の国)の駐日大使が「強固な法と政策が必須だ」と発言、その通りだ。入り口はジェンダー平等、出口は多様で包括的な社会である。

       

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3人の登壇者の皆さんが小気味よく問題点とあるべき姿をハキハキと発言され、何というか、めちゃ気持ちよかったんですよねー。国が「差別は許さない」という強い意志が必要なのに、、、入管法もLGBT理解増進法も、まるで差別を助長させるかのよう。こういう国は世界中から尊敬されないでしょうね。

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(議員仲間と)                                                       

                        

以下は大竹まことゴールデンラジオ2023年8月8日(火)より書取りしたもので、お話は関西大学総合情報学部特任教授でコラムニスト の深澤真紀さんです。

 

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 先日国連理事会が来日しましたが、国連理事会が指摘した事項はジャニー喜多川の性加害だけのために来たわけじゃなかったんです。男女の賃金格差が縮まらないこと、非正規労働者に女性が多いこと、女性管理職が少ないこと、性的少数者への差別、パートナーシップや同性婚が解消されていないこと、障害者雇用の少なさと低賃金、先住民族や被差別部落に対する差別が解消されていないこと、労働組合を作ることへの困難さを解消できていないこと、福島原発事故被災者への補償が十分でないこと、PFAS問題の調査が不足していること、技能実習生/移民労働者/中国韓国労働者へのヘイトを解消できていないこと、メディアとエンタメ業界の労働環境のこと…実に多くの人権問題が取り上げられたのです。

                                

国連人権理事会は「性暴力やハラスメントを不問にしてきた日本文化は、社会に深く根付いた不公平なジェンダー規範や社会規範と結びついているからだ」とコメントしたが、ほとんど報道されていません。

                                

中でも一番重要な提言は「日本には独立した人権機関が存在していない」ということでした。国連から度重なる指摘があったが、これまで日本は応じてきませんでした。「国内人権機関がないことは日本の大きな穴である」と指摘。なぜ報じないのでしょう。日本の企業もメディアも、人権を重要視してこなかったということではないでしょうか。

                           

日本が良くいう言い訳は「内政干渉だ」という言い方をするが、人権問題は内政干渉ではありません。1993年世界人権会議で「全ての人権保護は国際社会の正当な事柄である」と明記されたからです。

                              

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最近は、ほとんどのメディアが問題点を報じないので、私たちは本当の情報を手に入れることがとても難しいと思います。

あと30分くらいで8月15日、終戦記念日です。。。

戦争が終わった翌年の4月、初めて女性が選挙権を行使しました。その時の女性たちはさぞかし喜びに溢れていたことでしょうね。政治に口を出すことが許されなかった時代が長かったのですもの。

                                   

 

                                  

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